加熱する不動産投資・いい物件がみつからない

加熱する不動産投資

私が不動産投資を始めたのはおよそ10年前ですが、その頃は、表面利回り15%ほどのアパート一棟などの投資物件がボチボチありましたが、最近の不動産投資ブームでそんな物件は本当に出回らなくなりました。
あっても、築30年以上で、賃貸需要にはてながつくようなエリアの物件です。

賃貸需要のある地域だと築25年ほどの1棟アパートでも表面利回りが10%ほどのものしかありません。表面利回り10%だと税金、修繕費などを引いた実質利回りは7%ほど、
そんな物件を金利4%ほどのアパートローンで購入した場合、ちょっと空室が出てしまうとキャッシュフローがすぐにマイナスになってしまい、ひどい目にあってしまいます。

それでも売れているんですねえ。楽待で投資物件を探すと、私の住む地方都市では、1棟マンション、1棟アパートで43件しかありません。首都圏に住むサラリーマン投資家、地元の投資家はいい物件があるとあっと言う間に飛びつきます。
そんな状況なので、物件の値付けもどんどん上がっていって、築25年程度で賃貸需要の旺盛なエリアなら表面利回り8〜9%でもすぐに売れてしまいます。

私は、いまアパートを3棟、マンションを1棟所有していますが、利回り9%で売れると計算すると、買値の1.5倍ほどで売れることになります。いずれの物件もいつもほぼ満室ですので、すぐに売れるでしょう。
担当している税理士さんにも、売ってくれないかと言われるほどです。

ときどき、上の写真のような手紙が来ます。

しかし、いずれの物件も表面利回りが10%〜20%で運用できていますので、売るという選択肢はよほどのことがない限りありません。それと、私が収益物件を選ぶときは、「土地の価値」をとても重要視しています。つまり、土地のある場所の宅地としての価値、広さ、形、間口の広さなどです。土地の価値さえあれば、最低での出口戦略が描けるからです。

例えば、売値が同じ2500万円で、土地の不動産価値が2000万円の1棟アパートと、1000万円の1棟アパートで、同じ利回りなら、築が多少古くても、土地の価値が2000万円のアパートを選びます。
以前は、築20年程度の1棟アパートなら空室があって手直しが多少必要な物件なら、土地値程度かそれ以下で売られる物件が出てくることがありました。これは本当に狙い目で、きちっと手直しして周辺の賃料よりも5000円ほど安くすれば(安く買えるので、賃料も安くできます)、あっという間に優良物件に様変わりします。そして、土地としても価値が継続する訳ですがら、出口戦略も描きやすくなります。銀行も土地の担保価値があれば融資を引き出しやすくなります。

反対に、築が浅いけど土地の価格が低い物件は出口戦略が難しくなります。

以前、5400万円で買った築10年ほどの4階建ての1棟マンションがあったのですが、土地が40坪ほどで小さく、土地の価値が800万円ほどしかありませんでした。そして、周辺にアパート建設ラッシュが起きていました。将来空室率の悪化や、家賃の大幅な値下げが起きることが容易に想像できました。

年間600万円ほどの家賃収入があったのですが、サラリーマンでそこそこの給与所得もあったため家賃収入にかかる所得税・住民税・個人事業税などが大きく、実質収入は年間300万円ほどでした。

所有後6年を経過して、家賃を下げないと入居者が決まりにくい状況になり「さてどうしようか」と出口戦略を検討しました。その後さらに10年所有していればおよそ3000万円ほどの収入が得られます。そしてそのときの築年数は26年になります。その頃は今のアパート建築ラッシュのせいと建物が古くなるため家賃はいまの半分になっている可能性があります。
そうなりますと、販売価格は3000万円程度でしょうか。

持ち続けると大規模修繕も必要でしょうから、それにかかる費用が200万円として、10年後に3000万円で売却したとして得られる利益は400万円しかありません。

3000万円(売却価格)-5400万円(購入価格)-200万円(修繕費)+3000万円(家賃から得られる実際の収入)=400万円

5400万円の元手で10年間の利益が400万円でしたら、年間利回りは1%にもなりません。

なら、不動産投資ブームになっているいま買ったときと同じ5400万円で売ってしまったらどうでしょう。減価した部分との差額に譲渡税(20%)はかかりますが、10年間後の不安はなくなります。
そこで、5400万円で売り出しましたら、あっという間に売れてしまいました。6000万円でも売れたかもしれませんので、販売戦略としては失敗でしたが、所有した6年間で1800万円ほどの生んでくれましたので、まあいいかなといった感じです。

もし、この物件の土地の価値が物件の半分くらいの2500万円ほどでしたら売ることはなかったと思います。収益物件は最悪でも土地値で売ることができるからです。

以前は、収益物件に詳しくない不動産屋さんが、建物の償却が終わった物件を土地値で売る場合がありました。物件を収益性で判断しないで、積算評価による不動産価値としてしかみていないのです。そうなると、表面利回りは20%ほどになります。
そんな物件は本当に美味しいのですが、最近はまず出てこなくなりました。

不動産投資ブームのいま良い物件に出会うチャンスは本当に少なくなりました。それでもなんとか大家になりたい人は築25年ほどのアパートで表面利回り10%くらいしかなくてもアパートローンを組んで無理して購入しています。空室が出たらどうするんでしょうね。

儲かるのは、仲介する不動産会社とこの低金利の時代に4%などと高金利で貸し出せる銀行だけのような気がします。あなたが公務員や大手企業の社員ならいいカモですよ。

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